ヘレンケラー女史 Voice vol.80

「この世で一番哀れなことは、眼はみえていても、未来の『夢』が見えていない人です」
これは、ヘレンケラー女史の有名な言葉ですが、同じように夢の大切さを説いた渋沢栄一翁も「夢七訓」の中で、夢の実現が計画立案でありそれが幸福の道と説いています。

今月は、事業継続に不可欠であり、弊社でもニーズの多い経営計画立案で若者からの指示を集めている事例です。

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先日セミナーでお話を聞いたのは、5人の採用枠に、16000人のエントリーがあった、社員80人パートさん含めおよそ200名の老舗和菓子(くず餅)メーカー「株式会社船橋屋」の渡辺雅司氏です。氏は大学卒業後、銀行マンになり30歳で実家である「船橋屋」に入社され、44歳の時に8代目の当主、代表取締役となり現在に至っています。

以前より、マスコミ等で船橋屋さんの取り組みを知ってはいましたが、直接話を聞けるということで、楽しみにしていきました。

ところで、今回初めて知りましたが、くず餅は数ある和菓子の中で唯一の発酵食品だそうです。つまり素材(でんぷん質)を450日かけて乳酸菌で発酵させ、その後成形し黒蜜と黄粉で作られる。その後保存剤等を入れないため賞味期限は短く、直営店のみの販売方法を取っています。
それが、強みであり、こだわりですが、販売チャネルと販売ルートは目の届く範囲となるのが、ボトルネックでもあるわけです。

【入社時の会社】

社員さんが一仕事を終えると、就業時間内にも関わらず酒宴が始まる。
お客様とけんかをする、デパートなどの出店で船橋屋の担当者は椅子に腰かけて居眠りをしている、休日は錦糸町の馬券売り場に行ってしまう。などなど、銀行マンとして自信満々事業を発展させようと、実家に戻ってきた渡辺社長には、老舗として胡坐をかいていた社内の現状に愕然としたそうです。
その時は、サラリーマンを辞めたのを心底悔やんだそうですが、しかし八代目として腹を決めた以上、社長である父親に権限を委譲してもらい、自らが経験し学んだ「継続する会社」の取り組みを一つ一つ実現していったそうです。
その第一歩が理想の会社への夢の実現シナリオ、つまり経営計画の策定でした。

 

【経営計画の策定が、社内外のファンの獲得に】

さて、経営計画ですが、氏がこだわったのは、社員さんの3倍いらっしゃるパートさんにも分かるような経営計画書。
試行錯誤の末策定したのが、イラストを沢山使った、漫画のようなスタイル。
どんなに立派でも、読んでくれなきゃ意味がない、なおかつ理解して自社のポジションと未来を語れるようにならなければ意味がないと。

 

そんな取り組みに加え、会社の紹介を「くず餅の製造・販売業」ではなく「伝統継承企業」とポジショニングを変えて、夢のある会社なんだとPRしていきます。
当初は、働いている社員さんに夢と希望を、と動いていたら、結果としてそれが口コミになり、マスコミが取り上げてくれて、増収に繋がるのですが、最後はそれが、人材採用に繋がって行ったということです。
私がセミナーなどで、「働いている社員さんにとって良い会社になると、営業コストと採用コストが限りなくゼロに近づいていく」という確かな事例を改めて聞くことができました。

全国各地にお餅の和菓子はありますが、発酵食品とブランディングしているのが良いですね!

 

【人材採用と育成の結論】良い人材が育つ5つの条件

(1)会社の理念・ビジョンがあることが前提ですが、それが社員さんに浸透し共感を得ていること

(2)給与を含め、明確な評価基準があること

(3)社員満足度調査をしていること

(4)新卒採用チームがあり機能していること

(5)イベント等ワクワクする環境があること

 

これは、弊社のお客様の事例にも通じる事だと、私も確信しました。皆様の会社もぜひこれを実現して行きましょう。

ちなみに、渡辺社長の父親七代目、祖父六代目は婿養子だったそう。息子が生まれても、経営能力が足りないと感じた場合には、婿養子を取りそれに後継ぎをさせる。つまり事業の継続は、血ではなく、ビジネスポリシー。
江戸時代から、政治も商いもこの原則があったよな~、と、司馬遼太郎ファンの私は納得がいく逸話でした。

 

私どもトライプランニングも、御社のファンを増やす経営計画を策定します

 (弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.80  2018年2月号より抜粋)