まあ、こんな大上段に構えなくても良いのですが、2019年は自社の生産性を上げることに みなさま真剣に取り組みましょう。

働き方改革関連法施行にあたり

 昨年国会で成立した、働き方改革関連法が今年の4月1日から施行されますね。この法案、そもそも企業が生産性を上げることをベースに、働く人も休暇を取得するなどの権利を使いやすくしましょうということなのに、マスコミの取り上げ方を見ると残業を減らす、休暇を取りやすくする、同一労働同一賃金など権利ばかりが声高に叫ばれ、守らない企業には罰則があるぞという風に勘違いされかねません。
我々経営者は、社員に対しては常々休みも多く、残業も少なく、そして給与も多くできるようにしたいと思っています。でも、マスコミに踊らされ、仕事の中身を変えることなく、休日を増やしたり、労働時間を減らしたりしたら、確実に業績は落ちてしまいますよね。

なぜこの法律が施行されるのかといえば、そしてなぜ働き方改革を進めるのか?といえば、
人口が減ることが確実な中で国力を維持するために生産性を高めなければいけないからであるのに、社員の待遇改善というようなイメージをされてしまっているのが問題だと思うのです。本当はこの法律「生産性改革」の方が意味は正しいですよね。
つまりポイントは「働き方改革に対応しながら、業績を維持するためには、仕事への投入量が 減るなかで、産出量を維持しなければいけない。そのためには労働生産性の向上が必須だということ」なわけですよね。

生産性とは何か

では生産性とはそもそも何か?ということが重要で経済学的な意味を改めて考えてみようと思い、今回読んだ本は「生産性とは何か」〜日本経済の活力を問い直す〜/宮川努 著 です。
私の研修でもよく伝えますが、よく使う言葉、わかっていそうな言葉ほど、一度きちんと定義をし、話す人に共有すること。定義があいまいなまま話を進めても、理解は深まりませんから。
さて、読んで見てわかったことは、生産性の向上とは、いかに無駄な時間を減らすか、そして一定の成果物を出す仕組みを取り入れるか。
当たり前ですが、我々が今までの常識で捉えていたことをゼロベースで棚卸することです。
それでは、我々が自社で取り組めることはなんでしょうか?
ジャパンアズNo.1と言われた40年前、パソコンもない時代の生産性は間違いなく現在より低かったはず。それでも日本経済を支える市場はあり、働き手も豊富だったことが経済成長につながっていたわけです。
昨年9月に訪問したインドネシアのような、若さと豊富な労働力があった状況だったのでしょう。現在、国内市場は間違いなく縮小していますが、国内のインフラ整備や住環境メンテナンスなどは残る産業ですし、介護も(保険の破綻が懸念されますが)市場は大きいでしょう。

著者は、学習院大学教授・博士(経済学)。専門はマクロ経済学、国際マクロ経済学、日本経済論

働き方改革関連法施行にあたり

しかし、労働環境を考えれば、コストがかかり過ぎ収益を上げにくい構造です。となると、まだまだ工夫ができる観光やスポーツビジネスなどは、大きなチャンスでしょうね。おっと、話がそれました。
自社で取り組めることはという意味では今まで当たり前と考えてきたことを変えて見るということですね。
通勤時間、移動時間、書類作成時間などの廃止や短縮、倉庫、事務所、社有車など所有物の削減、会議室は必要か、ショールームは必要か、カタログは、などなど、それが、収益にどう寄与するかを考えて見ましょう。
一日8時間必要だと思っていた勤務時間が4時間で済むことになったら楽しいですよね。
弊社もそんな思いでチャレンジしてまいりますので、皆様も取り組もうとしているアイディアや、取り組んだ成果をぜひ教えてください。皆で2019年を「生産性向上元年」にいたしましょう!