計画のスピードを二倍にすれば多分勝てる
だが、三倍にしたら絶対勝てる (日本電子創業者:風戸健二氏)

経営者の決断力と行動力

さて今月のキーワード「計画のスピードを二倍にすれば多分勝てる。だが、三倍にしたら絶対勝てる」
私の座右の銘である「巧遅拙速」にも通じる言葉ですが、風戸氏の言葉は、行動の前の準備段階からスピードが重要と説いています。
風戸氏は1917年生まれ、海軍機関学校を卒業後、終戦まで海軍技術研究所に勤務したのち、戦後すぐに電子顕微鏡の開発に携わり、1949年に日本電子工学研究所(現日本電子)を設立しました。それからは、研究開発を進めて、現在世界でもトップシェアを持つ日本が誇るメーカーとなりました。戦後様々な困難があったにもかかわらず、現在まで日本を支える技術を持った同社のような会社の設立が相次いだのは、戦争体験が背景にあったことは否めないと思います。強い思いと豊かさや平和の実現を描きながら、とにかく他に先んじようという気概も伝わってくる言葉だと思います。
もちろん、現在であっても計画段階からのスピード重視は必須です。昭和20年代とは比較にならないスピードで、世の中は移り変わっていますから。
まずは自分の計画のスピードを、来年は2倍にしてみましょう!

日本電子創業者、風戸健二氏

計画立案のスピード化

では具体的に計画立案をスピード化するにはどうするか?私も色々と試していますが、形にするまでには、やはり時間がかかってしまいます。考えがまだまだ浅い、もうちょっと深く考えたいが掘り下がらない、ということがままあります。そんなことを常々思っていたら、ある先輩から、「丸山さんこんな本があるよ」と教えられたのが、「ゼロ秒思考」という本です。
著者は東大を卒業し、メーカーに勤務してからスタンフォードでMBAを取得、マッキンゼーに転職したという、コンサルタントの王道をいく経歴の持ち主。しかしマッキンゼーの社内会議(英語)で上席からの質問に、直ぐに答えられない事があり、そうすると次からは質問されなくなり、最後は会議に呼ばれなくなったと。このままでは、コンサルタントどころか社内での居場所がなくなると危機感を募らせ、どうすれば、発想やアイデアをすぐに出せるかと色々と試した結果、行きついたのが、“頭に浮かんだことをまずは紙に書きだす”ということだったそうです。
具体的には、毎日タイトルを決めてA4用紙の裏面に1タイトル1分、それを1日10枚書き、最後にファイルボックスにグループ分けするという手法で、一日30分弱の時間さえあれば誰でもできる、と。それを3カ月続けたら自身で成長を感じられ、1年続いた時には上席からも評価を受け、窓際社員から、一転韓国マッキンゼーの立ち上げプロジェクトの責任者に指名され、120人の組織を作るまでになったそうです。
これはぜひ読んで実践しよう!と、本を購入しました。

ゼロ秒思考

さて、「ゼロ秒思考」本のト書きには「頭が良くなる世界一シンプルなトレーニング」と書いてあります。著者曰く、日本人は世界でも優秀な人種なのに学校教育の時点で、考える訓練、効果的に考えをまとめる訓練をされていない。また、ディベートのような訓練をされていないので、自身の考えを深めるような訓練もない。そこをどうにかするために、自分自身が悩み、考え、実践した手法によって、自身も周りのメンバーも成長したのでその手法を伝えたのがこの本であると。
やり方は、上記に書いたように1分間でA4一枚に書き出す。それを一日十枚書き出すというトレーニングです。私も早速冬休みから実践してみます。そこで達成できるのが、思考の「質」と「スピード」で、双方の到達地点が「ゼロ秒思考」。
ゼロ秒思考が身につくと、瞬時に現状を認識し、瞬時に課題を整理し、瞬時に解決策を考え、瞬時にどう動くべきか意思決定できる、ということで、シュワッチ!という効果音が聞こえてきそうですね! 結果報告いたします。