社員教育・人材育成  説得ではなく納得を Voice vol.86

先月は、人材採用の話を致しましたので、
今月は、入社した社員をどの様に育て・定着させ・戦力としていくか ―― 事例をご紹介します。
 

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今回は、今まで私が実際に相談を受けた事例を2つご紹介いたします。この内容は、会社の規模や業種に関わらず、どの会社さんにも似たようなことがあると思いますので参考にしていただければ幸いです。一つは「入社1年以内に退職してしまった若手の話」、もう一つは「自分で考えて行動しない新人の話」です。なんとなく想像はつくと思いますが、なぜなんだ、と思う前に若手の気持ちになって、会社として対応を考える必要があるのです。

新人だけではなく、中堅社員が辞めてしまう、幹部なのに思うように提案や意見を出さない、考えないなどの悩みもあると思いますが、それはまた来月以降にご紹介したいと思います。
 

すぐにやめてしまった新入社員

相談内容:丸山さん 毎年新人を採用しており、今まで定着していましたが、今年は7月に退社してしまいました。わずか3カ月程です。理由は朝も早く残業もあり疲れたからだ、と、いうことでした。次に何をするかを聞いたら、公務員を目指すということでした。仕事内容や就業時間のこと残業のことなどきちんと説明したうえで入社していますので、正直なぜかということがわかりません。今後のためにどんな対策が必要かを教えてください。
回答内容:社長 新人さんが入社3ヶ月で退職されたという事は、採用・内定者フォロー・新人研修といった投資や既存社員さんへの影響はもちろん、退職された方の今後の人生を考えると、辛いですよね。ただ、彼も「3ヶ月で辞めよう」と思って、入社した訳ではないはずなので、退職を決断するまでには、幾つかの段階があったはずです。
社会心理学上、離脱のステップは、『不明→不安→不満→不信→諦め→離脱』と言われています。
例えば、「何故、朝早くから夜遅くまで働かなければならないのか?」という不明事項に対して、「今まで先輩もやってきたのだから」だけで済ませると、人によってはこの「不明」が解消されないまま、「このままずっとこの状態が続くのかな?」と不安になり、「もういやだな」と不満が溜まり、「この会社はブラックかも?」と不信を抱き、「この会社はもうダメだ・・・」と諦め“離脱(離職)”していきます。ステップが離脱へと進む程に、挽回は難しくなってきます。
以上のことを踏まえ、こんな点に留意するのが良いかと思います。
人はそれぞれ、育ってきた環境、周囲の相談者、就活時に得てきた情報など、個人によって価値観
・考え方は異なります。その方にとって、不安になりやすい事柄を押さえ、早期に不明を払拭する
ための説明をしておきましょう。そして仕事に対しては、不明に即時対応できる体制をつくっておく。
早いうちに芽を摘んでおけば、不明は発見に変換します。すると 『発見→理解→共感→行動→
習慣→進化』となります。不明に対して、即時対応する仕組みとしては、日報の活用、気軽に相談
できる先輩社員の配置、定期的な面談の実施などがあげられます。そのフォローがないと、
不明→不安…のステップは加速します。出退社時の挨拶や指摘した時の態度、仕事の進捗
スピードなどで、何らかの変化があるので、周囲の観察・関わりによって、その変化をいち早く察知し、
対処していく事が大切です。ここでも「今までの新卒は大丈夫だったから」と一括りにするのは禁物です。
是非とも、配慮してみてください。
更にステップアップする機会が訪れたと捉えてみてください。

 

自分で考えない新入社員

相談内容:丸山さん、新入社員が配属され、なんでも聞くようにとは言ったものの、逆に何も考えなくて、
何でやらないのかを聞くと、「だって教えてもらっていないですから」というのです。どうすれば良いですか
回答内容:最近の若い者は考えないよね…、と、ひとくくりにしてしまう私たちの思考から変えていきましょう
(笑)。どうしたら成長して行くのか、という視点を持ってみてください。そしてやはり一人一人個性があるという
点で見てみましょう。彼はどんな長所がありどんな強みがあるのか。一方どんな短所と弱みがあるのか。
それをもとに観察すると、ここを刺激すると考える、ここを褒めると動いてくれるということがわかってくると
思います。例えば沢山の事を一度に言われると消化不良を起こすが、一つ一つ納得すると動いてくれるタイプ。
要点を押さえるのは上手いが、細かな事が判らず、理解が浅いタイプ。いつもマイペースな印象だが、行動を起こすと早い
タイプ。それぞれのタイプ別に、刺激を与えれば考えるようになります。考えないではなく、捉え方を伝える、それが近道です。

 

コンサルティングの取り組みの中で蓄積された人材採用・育成・定着のノウハウもございます。
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