※今回は、当社にてブランディングコンサルタント・研修講師として活躍している真海英明氏が担当しました。

ブランディングという基本概念

私はこれまで4か国の企業で、ブランディング、マーケティング、新規事業開発の仕事に従事してきました。
成功するブランドは「ブランディング」という基本概念があります。その中心にあるのは「哲学」です。ブランドは哲学を中心に機能やデザインやコミュニケーションが決められていきます。その中にブランドの「魅力」も生まれるのです。

マーケティングとブランディング

マーケティングとブランディングは根本的に異なる。マーケティングとブランディングを最大限にマッチングさせる事がとても重要なポイントになる。
マーケティングはロジカルシンキング的な考えで捉える事が可能でだったが、今はGAFAの影響で予期できない状況にある。

一方で、ブランディングは感性的な思考そのもの。マーケティングとブランディングは予期せぬ絆で結ばれるケースが多々あるが、それを分析していけばいつかは「成功法則」が見えるかもしれない。

NYのビジネスエリートが今、出勤前におとずれるのは美術館だということをご存知だろうか?感性的アプローチがない限りマーケティングとブランディングのマッチングはあり得ない環境になっている。

GAFAの登場 -Google, Apple, Face Book, Amazon-

この巨大IT企業は今まで見えなかった情勢や事件や動きをあっという間に世界中に情報として配信している。
Googleに至っては「火星」の裏側までその風景を見せてくれる。知的好奇心をくすぐられる。
DNAの分析でタコは地球外生物だという生物学者の論評をYAHOOニュースで読んだ。やはり火星から隕石に乗って飛んできたのではないだろうか?古代の火星人はタコではなかったのか?ということは、僕は火星人の子孫を「美味しい」と食べていることになるな、なんて思ってしまう。

多大なる情報は新たな「思考」を産み出し新たなビジネス を生みだしている。
しかしながら、情報の「量」は増えているが「質」が向上しているわけではない「フェイクニュース」「情報操作」など非常に危険な要素も持ち合わせている。

我々はこの漠大な情報の中から隠れている「真実」「可能性」を感じとらなければいけない。そのためには「知識」「経験」という過去に通用した方法より「感性」Artの力が必要なのだ。

LGBTの市民権 -Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender-

女性同性愛者 男性同性愛者 両性愛者 性の不一致 総称して「性的少数者」(セクシャル・マイノリティー)が、国家が認める「市民権」を持つようになった。隠されたり隠れていたものが「見える」時代になったのだ。

人間社会のインサイト的なもので、存在していたが公には表面化しなかった。ではなぜ「見える」ようになったのだろう。世界28か国で「同性婚」は認められている。それは古い時代に出来た価値崩壊を示しているのだろう。「男尊女卑」「家長制度」「権威主義」などの「封建的制度」の根本的崩壊である。

日テレの『news zero』にて、日テレ社員でトランスジェンダー女性の谷生俊美さんは、男性として入社し実績を積んで、その中で、自分のインサイトにある「女性」に気づいて価値転換をし活躍されている。

ブランディング的な立場で考えると、新秩序社会の中で、魅力価値を作るためのタブーとされていた新たな要素の「組合せ」や「使用方法の転換」は新たな「魅力価値」を生み出すきっかけになりうる。
混沌とした価値観の変革期こそ、「感性」Artを研ぎ澄ましてブルーオーシャンを開拓するチャンスでもあるのだ。

異なる環境のギャップを捉えよう

新型コロナの影響でかつてない環境の中に我々はいます(早く終息することを切に願います)。
この環境は新しいインキュベーターを作る可能性があります。つまりこの環境の中で新しいビジネススタイルが生まれる可能性が大いにあるのです。異なる環境を比較することで「ギャップ」を捉えることが出来ます。このギャップの中には隠れていた「可能性」や「魅力価値」が見えやすくなっています。

今は、世の中の表層の流れと人々が持つインサイトの「気持ち」をよく洞察する良い機会だとも言えます。
体調にくれぐれも留意してお過ごしください。

真海 英明

ブランディングコンサルタント
知的財産管理技能士