他人に理屈を言う前に、自分自身を見つめ直そう

「脚下(きゃっか)」とは、自分の足元のこと。
「照顧(しょうこ)」とは、照らして顧みる=よく見つめ直す、という意味です。

つまり「脚下照顧」とは、

“しっかりと自分の足元を見つめ、心を込めて丁寧に生きることが大切”
という禅の教えです。

寺の玄関や下駄箱に「脚下照顧」と掲げられることがありますが、
それは「靴をきちんと揃えなさい」という意味にとどまらず、
“自分の心の乱れや傲慢を正し、足元を整えてから中に入りなさい”という戒めでもあります。

ビジネスシーンにおいて「脚下照顧」とは、現場の声に耳を傾け、自分たちの原点を思い出すことでもあります。

リーダーの方なら、判断がきちんと理念に沿っているか。
メンバーの方なら、仲間への思いやりを忘れていないか。

そんな小さな問いかけを重ねていくことが、チーム全体の信頼や成長につながります。

また、「脚下照顧」という言葉には、“まず身近なことから整える”という意味もあります。
たとえば、朝のあいさつを丁寧にする、
ひとつの約束をきちんと守る、
同僚への「ありがとう」を忘れない。
そんな身近な行動の積み重ねが、
チーム全体の信頼や雰囲気をつくっていく、“脚下照顧”の一歩です。

どんな時代になっても、足元を見つめ、次の一歩をていねいに踏み出していける組織は強いもの。

秋の深まりとともに、皆さんも一度、ご自身やチームの“足元”をそっと見つめ直してみませんか。
その小さな気づきが、きっと明日を変えるヒントになるはずです。