戦略立案は面白い(物流がマーケットを変える)

リニア新幹線の計画が、1962年から50年を経てようやく実現の具体像が見えてきました。私は山梨出身ですので、帰省の度に中央高速道路から見える、リニア実験線を良く見ていました。それを思うと、いよいよだな、というのが本音です。

ターミナル駅はJR品川駅とJR名古屋駅の地下というのは知られていましたが、他の駅は色々な憶測が飛んでおり、地元の駆け引きもあったと聞いています。結果はリニアの特徴を活かすということで、JR東海の当初の計画通り一直線に結ぶことに収まりました。橋本(神奈川)、甲府(山梨)、飯田(長野)、中津川(岐阜)にできる中間駅周辺は、これから色々な可能性が拡がると思います。

 さて、先日NEXCO中日本の厚木事業所に行く機会がありました。私の関心ごとは圏央道の進捗と、新東名の計画でしたが、先方の計らいで、厚木の物流倉庫も見ることができ、収穫のある1日となりました。以下簡単にご報告いたしますが、確信できたことは、「マーケットの変化の可能性」でした。

【圏央道】

圏央道の全体は、神奈川県から千葉県までの南関東を結ぶ、環状線です。東京を中心に各県に延びている道路と鉄道は日本の近代化と経済発展の両方で絶大な効果を上げましたが、一方で東京への一極集中と渋滞が課題となっています。神奈川でも、横浜から商圏を広げるには、相模原や小田原に行くよりも、アクセスの良い東京の城南地区となります。

圏央道の目的が、東京を通過するだけの車の排除であるとするならば、神奈川に会社を持つ我々としても、それを自分のビジネスに繋げられるように、別な視点で戦略を持ちたいですよね。

そしてそれは、もちろん道路に付随するビジネスではなく、東京の西部、山梨、埼玉、群馬などをマーケットとしてとらえるということです。

「マーケティングの5C」の視点で、お客様がどの程度いるのかという市場性と競合状況、そして自社の強みをとらえながら、販路や事業エリアの拡大をぜひ考えるべきだと確信しました。

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 ↑関東を一周する圏央道、もう少しで全線開通です(赤部分が未開通)。

 

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↑静岡から海老名までの新東名の路線図

 

【新東名】

現在三ヶ日から御殿場まで開通している新東名。海老名・伊勢原間が2018年そして2020年には西は豊田から東は海老名までの全線が開通する予定です。新しい高速への期待は渋滞の解消はもとより、災害へのリスク回避が大きいと思います。そして、既存の東名との役割分担は、海岸線を走る風景を楽しみたい観光ユースと、スピードと安定を求めるビジネスユースとで完全に分かれていくのではないかと思います。

現在Eコマースの市場規模は2012年で約9兆円(経産省より)。
この数字は加速度的に伸びていくと考えられるわけで、そのデリバリーシステムを支える物流の整備、とりわけ、高速道路の拡充は必須ですよね。東京オリンピックに向けて、ビジネスが活性化していくためのインフラ整備も加速していくことが、現場を見て確信できました。

【厚木ゲートウエイ】

7月に竣工し8月11日から稼働している、ヤマトホールディングスの多機能スーパーハブ「厚木ゲートウエイ」を見てきました。ヤマトによると、「バリューネットワーキング」構想といって、物流を「バリューを生み出す手段」へ進化させるという目標を掲げているそうです。これは、同社の宅配便取扱個数の拡大という目標だけではなく、一次、二次産業のコスト削減や国際競争力の向上に貢献し、日本経済の成長を手助けしたいという想いがあるとのことです。

今までは各地の拠点は商品を集め、翌日配達に向けて保管する場所でしたが、当日に入ったものを、当日出荷できるデリバリーステーションに変えていき、国内の集積地である、厚木と関西並びに中部のゲートウエイが機能し、羽田と沖縄と連動させることで、東南アジアへ貨物便だけでなく、生鮮食料品の翌日配送が可能になるそうです!

 

ヒント6-2

 

↑ヤマトホールディングスの「バリューネット
ワーキング」構想を担う「厚木ゲートウエイ」8階建て延べ床面積はなんと27,000坪です。

 (弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.36 2013年9月号より抜粋)