大法小廉(たいほうしょうれん)」 すべての上下の臣が皆忠義で善良であること。
大臣は法を守り、小臣は清く正しく、国家に対して忠節をつくすこと。
理想の国家の事をいっています。出展は中国の古典「礼記」です

さて「大法小廉」。理想の国家ですが、我々はこれを会社に置き換えて考えるべきでしょう。礼記によると、「大法小廉」の全文は「大臣は法あり、小臣は廉に、官職相序し、君臣相正しきは、国の肥ゆるなり」となっています。大臣と小臣の心構えだけではなく、官職はお互いに立場を理解し、君主はそもそも正しく行動すると続きます。まさにその通りで、トップ自ら模範を示すことで、良い組織になり国が栄えるということですね。

私は会社員時代から、現在に至るまで、多くの会社を見てきていますし、多くの社長とお会いしています。そこで感じますのは、会社の繁栄はまずはトップの誠実さと行動力そしてスピーディな判断&決断力だと思います。
それに加えて、いつも申し上げている、チャーミングさだなと。
「社長が言うんだから、(少し強引であっても)着いていこう、やってやろう」と思ってもらえば、一枚岩ですよね。
  皆様の会社は如何ですか、自分自身はもちろん模範の社長だと思いますが、片腕の役員は、現場の部長は、そして課長やリーダーは、それぞれ会社のルールを守りながら、しっかりと貢献しているでしょうか。
  もちろん「全く問題ない」という会社さんもあるでしょうが、それはレアケース、どの会社もいくつかの課題を抱えているものだと思います。理想と現実いつの時代も、そしてどんな組織もそれを是正することを繰り返し取り組んで来たのではないでしょうか。

  今、コンサルティングや研修等で多くの会社様にお伺いしています。そこでも、会社様によっては、ルールが軽んじられているところがあります。それは、研修や会議への参加という簡単なことができていないケースに現れて来ています。ひとたびそれを容認すると、他のルールへの綻びにつながり、結果として成果が出せない、組織になり、お客様と人材が離れていく事にもつながってしまうのではないでしょうか。
朝礼、会議、掃除、イベント、等々、会社で決められたことがありますが、「お客様とのアポイントがあるから」という一見仕方のないような要因で参加をしないことがありますが、「大法小廉」を持ち出すまでもなく、会社が肥える事から遠のいてしまいます。

  一方では、弊社のお客様で「会社の行事、研修等への参加は絶対です。仕事は調整しましょう。唯一の例外は忌引きだけです」という会社様があります。
当然のことですが、この会社様は社員の皆様も活き活きと働いていらっしゃいますし、会社に笑い声が増え、業績も毎年きちんと素晴らしい成果を出されています。
  もちろんこれに至るまでには、色々と社内教育など整備をしていますが、会社の方針、目指すところ、行動規範など、しっかりと作り上げ、常にそれを意識するような取り組みをしています。
  結果として役職者を見ている若い人間も、彼らを模範として成長していくようになるのです。

  そんな事例をお話しすると、「そうはいっても、うちは職人気質の人が多くてなかなか・・・」
  「スタッフがパートも多いんで、全員そろうのは無理なんだよね・・・」
  「確かに、会議には出ないけど仕事はしっかりやるんだよね・・・」等の話も聞きます。
しかし、それがエクスキューズになると、人は問題を容認し解決への思考が止まってしまいます。
  「うちのメンバーで、うちの職種で、どうすれば、ルールが守れるようになるのだろう」と考えてみてください。
  きっと良いアイデアがそしてアプローチが浮かんでくると思います。

  ルールや規則というと堅苦しく、つまらないように一見思えますが、実は自由に見えて、ルールがない組織の方がそこで働く人にとっては、つまらない組織になり、会社から活力がなくなっていくのです。
  縁あって同じ職場で働く以上、ルールを守り、楽しい組織にしたいのは、全員の本心だと思います。
  ぜひ、「大法小廉」我々も良い組織をつくり、理想の会社にしていこうではありませんか。

 

(弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.46   2014年8月号より抜粋)