物事の道理をきわめ、学問・知識を高めること。
「知を致すは物に格るにあり」という意味。
表面的な知識だけ学ぶのでは、真の学問とはいえないということ。中国の古典「大学」の中に出てくる言葉です。

 

さて、格物致知表面だけでなく、深く学ぶこと、これは勉強という言葉の意味を正しく表していますし、人間としてのあるべき姿を言い現している大切な四字熟語だと思います。あちらで聞いてきたことを、さも自分が体験したようにしゃべってしまう。そこまで露骨にはしなくても、新聞や本で得た知識や情報を、自分なりの解釈をいれずに、そのまま使ってしまう。これでは人の受け売り、これは一番気を付けなければならないことですね。
やはり、情報収集をした後、自分としてそれを咀嚼した上で情報発信をする、その心がけが必要ですね。

では、格物致知と言われるために、人間どの程度のインプットをし、どの程度のアウトプットをすれば良いのでしょうか。

  以前経済小説家の「城山三郎」氏の対談を読んだ時に、「良い本を書くには100くらいの情報の中から、1つのアウトプットするくらいでなければいけない、そうで無ければ充実した、そして面白い小説にはならない」と話していました。凄いですね、さすがに100対1は難しいですが、我々も人と話す時、お客様でも、社内でも、情報と経験をしっかり蓄積し整理した上で、平易な言葉で分かりやすく伝える事をモットーとしていきたいですね。また小説家でもあり、美食家でもあった「開高健」氏の小説「食後の花束」の中にはこのようなくだりがあります。「・・・これくらいの古稀の逸品となると、美術品か骨董品であって、飲むよりは眼で見て愉しむものかも知れないが、そうとするとこちらも格物致知の衝動がこみあげてくる・・・」と。
  人間本質的に学ぶには、そして知識を得るには格物致知の姿勢が大事ですね格物致知今後もひとつこの熟語をベースに知力をつけて行きたいと思います。

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↑私が最初に読んだ城山作品

 

(弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.28  2013年1月号より抜粋)