「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」・・・困難をものともせず、ひたすら突き進むこと。 「勇往」は勇んで前進する事。「邁進」は恐れることなく突き進むこと。 出展は不明ですが、江戸時代の前から使われたとの説もあります。 我々ビジネス人としての解釈は、恐れることなく自分の目標・目的に向かって進んでいくことでしょうか!
さて、「勇往邁進」元気が出る、勇気を与えられる言葉だと思いませんか! 私も会社員時代、飛び込み営業をしていた頃、よく口ずさんでいた言葉です。そして会社を立ち上げてからも、何か迷う事があれば、この言葉を思い浮かべます。有限な時間である人生を有意義に過ごすためには、能動的に、夢や目標を持って過ごしたいですよね。そうすることで、もちろん困難なことにも遭遇しますが、それ以上に達成した時の喜びは大きいですし、また新たな目標や夢が浮かんでくると思います。 ところで、「勇往邁進」これ実は英語でも同じ意味があり、「going full speed ahead」となります。わき目も振らずに、まっしぐらに進む、ということで、かのジャックウエルチも「Recession or not, I’m going full speed ahead.」「不景気がなんだ、(目標を持って)進んで行くぞ」と言ったそうです。まさに「勇往邁進」で改革を進めていったということです。 そして、その経営の基になったのは、「シックスシグマ」の考え方、品質管理の考え方を経営に持ち込んだことでしょうか。
この「シックスシグマ」の考え方は、もともとモトローラーが最初に唱えたそうですが、これを、製造業の品質管理だけに留めず、営業部門や企画部門等にも適用し、経営改革を進めていったという点では、やはりGEが有名だと思います。 ウエルチには、有名な「ナンバーワンかナンバーツーになれる事業だけに、経営を集中せよ」という言葉が、あり、大胆なリストラ、大胆なM&Aなどを実行し、傾きかけたGEを再生させたことで、現代の経営者の一つの成功モデルとして、評価されています。 しかし、一方では、批判もあります。特に、リストラや事業売却など財産(負の遺産?)の整理についてです。確かに事業再生、経営という部分では、最善の戦略を取ったと思いますが、人材=人財という意味でいうと、とてもデリケートな部分であり、評価が分かれるのも致し方のないことかもしれません。
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さて、日本の会社を思い浮かべると、現役では、ソフトバンクの孫正義氏、ユニクロの柳井正氏などが、「勇往邁進」経営をされているのではないかと思います。 最近、ソフトバンクの社員や、楽天の社員の方と話す機会があり、社内の決断のスピード、成長の速さなど、事例を聞くにつけぶれない内容に改めて感服しました。もちろん、大企業だけでなく、日本の中小企業の経営者でも素晴らしい方も多く、一昨年見学にも行きましたが、長野県にある、「伊那食品工業」さんの社是 「いい会社を作りましょう~たくましく そして やさしく」 のように、働いている社員が「いい会社だ」と思えるような会社にしたいと、「勇往邁進」している塚越会長のぶれない考え方と実践も素晴らしいと思っています。 ちなみに、「たくましく そして やさしく」は会社永続のために、しっかりと利益を出し続けるという意志を反映しているとのことです。これは、尊敬する二宮尊徳翁の言葉「道徳無き経済は犯罪であり、経済無き道徳は寝言である」という考え方に沿って掲げているそうです。 | ↑伊那食品 塚越会長 「社員のひとりひとりのハピネス(幸)の総和こそ、企価値であると確信するこの頃です」 |
弊社のお客様でも、やはり増収増益を続けている方は「勇往邁進」な経営をされているのを、目の当たりに感じます。経営者が、そして、社員が一つの目標に向かって動いていける会社が増えれば、経済も社会もどんどん良くなってくると思います。以前取り上げた、「沈思黙考」をして、「天下無双」の会社になれるように、我々も「勇往邁進」に取り組もうではありませんか。 前号の繰り返しになりますが、「人件費は経費ではない」と言い切り、人件費を高くすることが結果として会社の競争力を高めるという状態を作り、社員にやさしい経営を目指していきたいと思います。
(弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.21 2012年5月号より抜粋)