「しっかりと準備もしていないのに、目標を語る資格はない」
この言葉は、現役メジャーリーガー、今年44歳の、ご存知イチロー選手の言葉です。
今年の最終号は、準備と成果について書かせていただきます。
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さて、この言葉「しっかりと準備もしていないのに目標を語る資格はない」。 多くの説明はいりませんね。 私も大好きな選手であり、野球に対して、また、自分の役割に対しての姿勢にはいつも感服させられます。 毎朝カレーを食べる、というのはルーティンがいかに重要かという点で話題にあがりましたよね(今はお蕎麦、という話ですが)。 17年もメジャーリーグに在籍しながら、一度も怪我でDL(故障者リスト)に入ったことが無い、ということは、いかに自己管理をしているかの一言でしょう。 また、度々米国メディアに取り上げられるのが「道具を大事に扱う」ということ。 プレイだけでなく、こうしたところも注目されるイチローの哲学が、野球を超えて学べる点だと思います。 |
マンダラチャート
そして、もう一人注目の野球選手は今秋メジャー入りを表明をし、エンゼルスに行くことになった大谷翔平選手。
以前このVoiceでも紹介したと思いますが、目標達成フローチャートとして、ビジネスやプライベートで使っている経営者も多い「マンダラチャート」。
右図はなんと大谷選手が高校生の時に書いたものです!素晴らしい!!
使い方は簡単です。 ➀9×9のマスを作り、真ん中に「自分の成し遂げたいこと」を書く ②真ん中から1マス離れた8マスに、「成し遂げたいこと」が達成されるために、自分に必要な「要素」を書く ③「要素」を外側の3×3のマスの中に移し、さらにその周りの8マスに「要素」を得るために「やること」を書く と、いうことで、マンダラチャートでは中心の「成し遂げたいこと」に対して、64個の「ToDo」に分解することが出来る。 |
これらを続けることで、理論上は「成し遂げたいこと」への道が確立されるというわけです。
ちなみに、私も毎年末には、来年の希望もこめて、Wishリストと共にこのチャートを作成し手帳に貼り付けています。
さて、今回取り上げたイチロー選手と大谷選手。
まさに、「しっかりとした準備」があるからこそ、「目標」への道がはっきりと認識でき、結果達成されるのですね。大谷選手の場合、それができているから二刀流を貫く姿勢にもブレがないのでしょう。
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さて、私たちの仕事で言うと、それは何でしょう。
Voiceで定番のドラッカー氏の言葉に、
「企業が売っていると考えているものを顧客が買っていることは稀である。(中略)顧客は、満足を買っている。しかし、誰も、顧客満足そのものを生産したり、供給したりはできない。満足を得るための手段をつくって引き渡せるにすぎない」(『創造する経営者』より)
というものがあります。
私たちが目標を立てるとき、お客様の満足のために何ができるのか、何をしているのか、どんな資源があるのか落とし込んでいますか。
真の顧客目線で自社を見ているでしょうか。
自分で、自分たちで見るのが難しいようなら、協力会社や取引先に聞くなどしてみるのも良いと思います。
そうした落とし込みやヒアリングが「準備」の1つであり、それを経るからこそ「目標」へ向かえ、成果と言う果実を手にすることができるのですね。
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冒頭でご紹介したイチロー選手は、こうも言っています。「準備と言うのは言い訳の材料となり得るものを排除していくこと。そのために考え得るすべてのことをこなしていく。」と。
年末年始の時間を使って、2018年そしてその先に向け、良い「準備」をしていきましょう。
(弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.78 2017年12月号より抜粋)