ピーター・ドラッカー氏の言葉

「毎年八月に作る計画どおりに一年を過ごせたことは一度もない。だがこの計画によって、私はいつも失敗し、今後も失敗するであろうが、とにかくヴェルディの言った完全を求めて努力するという決心に沿って、生きざるをえなくなっている。」
このセンテンスは、ご存知ピーター・ドラッカー氏の言葉です。2000年に発売された『プロフェッショナルの条件』に載っています。氏は自らを経営コンサルタントでもなく、教授でもなく、「社会生態学者」だと言っています。つまり自分は人に何かを教えるという立場ではなく、自らの行動実践と他の人の行動を観察し、その成果はどのようにでるのかを言語化しただけの学者だと。う~ん 世の中に足跡を残す人は謙虚ですね!

 

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さて、この「定期的に振りかえる」ということですが、それは氏が20代前半、新聞の論説委員に抜擢されたとき(当時は第一次世界大戦が終わった時で、若い世代が戦場に赴いていたことが人材登用の理由だと言っています)、その経験不足を補うためにやりはじめた事がこの「振り返り(レビュー)」です。この「レビュー」、我々も、プロジェクトやイベント毎にやりますが、それに加えて日々の活動を毎週、毎月、そして半年毎にやることが必要ですし、実施することで成果に繋がるのを実感します。そしてその「レビュー」を成長に繋げるためのキーポイントは、なんとなく振り返るのではなく、レビュー項目を明確にしておくこと。基本的な事ですが、氏の事例を以下に列挙します。

voice77-2 ・優れた仕事は何か?
・一生懸命やった仕事は何か?
・一生懸命やらなかった仕事は何か?
・お粗末な仕事や失敗した仕事は何か?
・集中すべき事は何か?
・改善すべき事は何か?
・勉強すべき事は何か
レビュー項目はこの7つだったそうです。

ところで、氏はこのレビューをやってみると、出来ていないことが多数であったと言っています。達成率は40%程度が続いていたとも。

氏が出来ないのですから、我々凡人はも出来ない事を嘆くのではなく、定期的なレビューを習慣づけて、着実に成長して行く事が大切ですね。

さて、前置きが長かったのですが、今月は11日~12日そして23日~24日と2回にわたり、富士山の麓と妙義山の麓でそれぞれ宿泊の経営合宿に参加してきました。日常の仕事場を離れじっくりと現状を振り返り、今後の計画を立案するというのは大切かつ重要な作業だと改めて感じました。また、どちらの合宿も全く知らないメンバーとの学びとセッションなので、そのメンバーから受ける刺激も多く、有意義な時間となりました。そして終了後は直ぐにやりたいこと、やらなければならないことが浮かんできて、帰りの電車では大いに夢を描いていました。
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こちらは、群馬県富岡市にある、妙義山グリーンホテルです。周りにはなにもなく、それがまた良かったです。

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今回のタイトルである「定期的に振り返る」ですが、時間が有限である以上、私が今回合宿に参加して決めたことは、まずは毎週土曜日に30分「レビュー」の時間を取る事です。そうと決めたら、12月2日(土)から実行して行きます。そしてその「レビュー」では反省と改善、優先順位と劣後順位の設定、を繰り返してやって行きます。それを続けることで、無駄な時間を極力そぎ落としていけると思います。

そして毎年続けてはいましたが、ここ最近少し疎かになっていた「WishList」を改めて設定しました。今回の経営合宿の主催者の一人はこの6年間、毎年大晦日に部屋にこもって翌年の「WishList」を108書くのを義づけていたそうです。
108書き終わるまでは決して部屋を出ずに、集中する。そして終わったら奥様と年越しそばを食べたとか。
彼はそのことで、事業も目標通りに成長してきたと経営報告プレゼンをしてくれました。

もうひとつ、今までは私だけの「WishList」でしたが、これからはスタッフ全員に書いてもらうことにしました。書いてもらうのは、自分自身のことと会社のことの二つです。
会社の事は全員で共有し、皆で夢を現実のものとして行きたいと思います!
さあ、来年も楽しみだ!!
皆様の会社でもぜひやってみてください。

 (弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.77  2017年11月号より抜粋)