芝蘭之化(しらんのか)」・・・良い友人と交流することにより、受ける良い刺激。
出展は、「孔子家語」の一節で「善人と居る芝蘭の室に入るが如。久しくしてその香を聞かざるは、すなわちこれを化すればなり」からです。
「芝」は霊芝(れいし=キノコですが腐らないので縁起物)とか、瑞草(ずいそう=めでたい草)だそうで、「蘭」は藤袴(芳香がある)ということで、良い場所、良い空間という意味でしょうか!

 

さて、芝蘭之化、以前よく冗談で芝蘭之化を知らんのか?なんて言っていました。失礼!
同じような意味でも、「類は友を呼ぶ」となると、なぜかあまり良い意味で使われることが少ないので、私はこちら芝蘭之化を使っています。ご存知の通り、人間は環境によって左右されるものです。だからこそなるべく良い環境にいるべきですし、良い環境を自ら作る必要がありますよね。その人を知るにはその人の友人を見ると良く分かる。とも言われます。全くその通りです。そうであれば、友人を選ぶのも、人生の中で重要な位置を占めると思います。

 

4月から6月というのは、新入社員が入社する時期でもありますので、研修や講演を依頼されるケースが多いのですが、そんな時最後に必ず以下のことをお伝えします。それは、1.尊敬できる後輩を持ちましょう 2.高めあう友人を持ちましょう 3.叱ってくれる先輩を持ちましょう ということ。上司や親を大切にするのはもちろんですが、上司や親は選べません。しかし、その他の先輩・後輩を含めて友人・知人は、自分で見つけることができます。社内はもちろん、社外でも見つけるように行動することで縁ができますし、そうした仲間に囲まれることこそが重要だと思うからです。

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もちろん個人として芝蘭之化を求めるだけではなく、職場が良い環境を提供する芝蘭之化になれば、それは個人の成長につながり、結果として良い会社になっていくと思います。
我々経営者とすれば、企業価値を上げるために、意識を変える工夫をしていきましょう。
弊社のお客様でも、朝礼に力を入れて、情報の共有と、モチベーションを上げる、「GOOD&NEW」を取り入れたり、誕生日のイベントを企画したりという、明るさや楽しさを前面に出すというケースもあれば、ミーティングの質を高める、アイディアを出すために、上手にOJTや研修を取り入れている会社様もあります。

 

人間働く際の一番のやりがいは、なんといっても評価されることと、仕事に責任を持たせてもらえる(任せてもらえる)ことです。そのことが結果として責任感がでて、アイディアも湧いてくるわけです。
ブラジルの経営者で、その経営理論を説いた、「Maverick」(100万部を超えるベストセラー)の著者である、リカルド・セムラー氏が、自分の会社であるセムコ社の具体的な内容を紹介した「奇跡の経営」をご存知なければ、ぜひ読んでみてください。この本では、理想の会社経営を実践した内容が満載です。
帯に書いてある「Fortune500でなはく、Fortunate500を目指せ!」「企業の成長のカゲで社員が犠牲になる時代は終わった!」このタイトルが目を引きますがなるほどの内容です。
「仕事は本来社員がウキウキするようなものでないといけない」と言い切れるセムラー氏の会社経営は、社員にすべてを決めさせる(勤務時間、勤務体系、勤務場所、そして給与まで)ことです。

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これが成り立つというのは、一見無理だろうと思いますが、でも読み進むにつれ、 もしかしたら、自社でもできるかも!と思わせる内容です。GDPではなく GDHと言い切るブータン国王のように、人間本来の価値観を持ち、活き活きと、そして尊敬できる仲間と仕事をできるようにしたいと思いますね。

 

さあ皆様、経営者であれば、自分の会社を職場を芝蘭之化にしたいですよね!
加えてせっかくなので、目に見える環境も変えませんか?会議室の名前は「第一会議室」ではなく「アイデアルーム」にする(弊社はそうしています)、そして、芝と蘭なので、オフィスや身の回りにお花も飾りましょう。私もお花は大好きですが、3年前にご縁をいただいて、お花屋さんのお客様もできましたので、お花を飾ることも日常になり、職場環境も変わってきました。アイディアが飛び交う職場、楽しい職場、成果の出る職場。そこに花もあれば顔も綻ぶと思います。

 

(弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.22 2012年6月号より抜粋)