徹頭徹尾(てっとうてつび) Voice Vol.50

徹頭徹尾(てっとうてつび)」 初めから終わりまで、一つの変え方や方針などを、
徹底してあくまでも貫くさま。「徹」は突き通すという意味。
今月もポピュラーな熟語です。出典は中国の古典「河南程氏遺書」です。

 

さて「徹頭徹尾」。私は職業柄、沢山の会社、沢山の経営者にお会いします。そして素晴らしい会社とはどんな会社か素晴らしい経営者とはどんな人か、どんなことをしているから素晴らしいのかと考えています。もちろん経営者ですから人よりも秀でているところが沢山あるわけで、だからこそ、この社長を支えようと社員さんが動いてくれますし、動くことで社員さんが育つから、会社が良くなるという循環だと思います。
 逆に社長が社員さんの事を褒めない会社とか、社員さんが社長を信頼していない会社であれば、継続は難しくなってくるわけだと思います。
ところで私が考える良い会社とは「この会社が無くては困る」「この商品・サービスが無くては困る」とお客様に思ってもらえる会社です。そういう会社は、社員さんも「この会社で働きたい」「この会社が無くては困る」となると思います。

先日長野県にある「中央タクシー」の会長である「宇都宮恒久」氏の話を聞く機会がありました。
皆様も色々なメディアで取り上げられている会社さんですので、ご存知かと思いますが、中央タクシーさんもまたお客様にとって「無くては困る」会社さんです。
 タクシー業界は常にドライバーを募集している印象があるように、業界の平均離職率は30%とも言われていますが中央タクシーさんの離職率は1.5%で、これはタクシー業界だけでなく、全ての業種や規模を問わず最高水準だと思います。なぜこんなに社員離職しない会社になったのか?
 会長曰く「そもそもタクシードライバーに新卒はいない、そして多くの方が普通の会社務めが嫌で、1人の空間で仕事ができるドライバーに転職してくる、だから仕事はまじめにしても、会社に愛着が湧いたり、組織が楽しいなんていう人は一人もいない」という業界だそうです。

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↑宇都宮恒久 会長

そんなタクシー業界を変えたい、これが同社の「徹頭徹尾」です。お客様に挨拶をしようから始まったのが会社の改革の第一歩、お客様が喜んでいただけることは何だろう、どうしたらうちのタクシーに乗ってくれるのだろう、と常に考え、ドライバーにも言い続けたそうです。タクシーはそもそも初乗り00円と業界で価格が決まっています。つまり、価格での差別化はできない、だったらサービスを徹底するしかない。
サービスってなんだろう、お客様は何に期待しているのだろう、と その「徹頭徹尾」が「真心サービス」とお客様に認知され、また乗りたい、ぜひ乗りたいに変わってきたそうです。
そしてその究極が今では同社の売上の6割を占める「空港便」や「旅行便」と呼ばれる、自宅から空港や、ディズニーランド、温泉旅館、景勝地への運行サービスです。
「タクシーで旅行なんて贅沢」が「タクシーだから楽しい、タクシーだから行きたい」に変わってきたのです。

 

今では、お客様の90%が電話での予約客となり、駅や街中でお客様を待つこともなく、営業ができているそうです。そして、「30分待っても中央タクシーに乗りたい」となってきているそうです。
先月紹介しました、札幌の富士メガネさん同様、同社も「日本でいちばん大切にしたい会社」で取り上げられています。
 良い会社、選ばれる会社になるには、TOPがこうしたいと考える理想を社員の皆様と共有して、それを徹頭徹尾」追求することに尽きると、宇都宮会長の話を聞いて確信しました。
 社員さんが会社を好きになるには、お客様から喜ばれる経験を沢山し、社内のメンバーから褒められ、頼られることが生きがいとなり、結果として、社員さんの定着とお客様の定着に繋がってくるということですね。

 

今回は、「徹頭徹尾」から、同社の取り組みと成果のご紹介でした。お客様から感動されるサービス。もちろん簡単ではありませんが、我々もまずはできることから、取り組んでみようではありませんか。

 

(弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.50 2015年1月号より抜粋)