他力本願(たりきほんがん) Voice Vol.44

他力本願(たりきほんがん)」自分の力だけをあてにするのではなく、他人や神仏などの
力に大胆に身を任せて生きること。出典は仏教の経典「教行信証」です。
他力本願というと人の力をあてにするという意味で使われがちですが、本来はこの意です。

 

さて「他力本願」。数年前までは、私もこの言葉の使い方は他人の力をあてにする。という、マイナスの意味だと思っていました。しかしある先輩から、そうではなく、本来の意味は仏教から来ているのだよと教えられました。
 先輩の話によると、「他力=如来の本願力と教典には書いてあり、自分がしっかりと努力するのは当然として、その後は、運を天に任すように自分を信じて生きていくことが大切だ」ということでした。
 以前の私は、お正月は神社に詣で、家では仏壇と神棚に手を合わせ、クリスマスはお祝いとして楽しむ、いわゆる日本人のマジョリティ的な仏教感しかありませんでした。その後、自分で仕事をするようになり、多くの方とご縁を頂くなかで、人生の不思議さ・面白さ、そして大きな地球という惑星で生かされているということをすごく感じるようになり、ようやく仏教の教えがすんなりと受け止められるようになってきたように思います。

 今回は、だからと言って、宗教的な話をするわけではありません。この「他力本願」を私なりに解釈致します。意味は自分の力だけをあてにするのではなく、他人や神仏などの力に身を任せるということですから、ビジネスに置き換えると、経営者やリーダーが自分一人でなんでもやろうとするのではなく、いかに周りの人間を巻き込んでいくか、と言うことではないでしょうか。そして、人材登用や自分の仕事を任せていく中で、まだまだ頼りないケースもあるでしょうし、そこまで権限を委譲する必要もない、それはまだ早いというケースもあるでしょう。
 しかし、企業の成長には欠かせない人材の育成ということを考えれば、なるべく多く、なるべく早く、社員に、若手に、そしてもちろんベテランにも任せることが重要なのではないでしょうか。

201406-44
↑一倉定氏。

ユニチャーム創業の高原敬一郎氏、ドトールコーヒー創業の鳥羽博道氏など薫陶を受けた経営者は多数

日本の数多くの社長を直接・間接に指導し、多くの影響を与えた経営コンサルタントの「一倉定」氏の、「若いということは抜擢をためらう理由ではなく、抜擢を決める理由である」という有名な言葉があります。
 人材活用の肝を説いた言葉ですが、社長がどうやって人材活用・人材育成をしていくか、という一つの分かりやすい指標だと思います。
 一方、働き甲斐やりがいという意味でもう一つのヒントは、こちらは以前本で読んだことですが 「人間の究極の幸せは四つある。人に愛されること、人にほめられること、人の役に立つこと、そして、人から必要とされること。・・・愛されること以外の幸せは、全て働くことによって得られる」 という言葉でした。これはまさに納得ですよね。そう考えれば、社員教育・人材育成はシンプルな事ではないでしょうか。 
 

 弊社のお客様でも、良い会社、伸びている会社様に共通するのは、「挨拶がきちんとできている、会社が明るい、社員の皆さんの連帯感がある、そして自社の強みが社員のチームワークが良いことだと捉えている」ことです。
 成長し続ける会社の条件として、社員にとって働きやすく、やりがいがある環境を整えられるかが、重要かつ大変な事ではありますよね。しかし、だからこそ真剣に取り組む必要があるんだと思います。

 いかがでしょう、今回の「他力本願」。 
私なりの解釈ではありますが、自ら仕事にしっかり取り組むのは当然として、部下や、社員の皆様に如何に気持ち良く働いてもらう環境を提供できるかを考え、そして仕事と権限を委譲しながら、会社を組織を強くしていく。そんな「他力本願」であれば良いですよね。
  
 「企業は人なり」。そのための人材戦略も、しっかりと考え実行して行こうではありませんか。

 

(弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.44   2014年6月号より抜粋)