事を遂げる者は、愚直でなければならぬ~ Voice Vol.70

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「事を遂げるものは、愚直でなければならぬ。
才走ってはいかぬ。 

これは、幕末の政治家、勝海舟の名言の一つです。
 

 

今月は、勝海舟の言葉を取り上げてみました。
勝海舟の談話筆記「氷川清話」の中で、「要するに処世の秘訣は誠の一字だ」と、「誠心誠意」を尽くすことを述べています。

 

勝海舟の時代には、すでに写真がありましたが、今回は柔らかめにイラストにしました

 

その中で今回の言葉が出てきますが、彼の言う愚直とは、まさにこの「誠心誠意を尽くす」態度を言ったことだと思います。目先のことだけにとらわれず、常に将来を考えた真摯な態度が結果をだす最大の要因だということですね。

江戸城の無血開城をリードした幕府側の代表として、血気盛んな薩長を筆頭とする討幕派と渡り合い、明治維新を成し遂げた功労者の一人ではないでしょうか。

 振り返ってみれば日本にとっての大きな変化(革命)ですが、当時は国内にある様々な思想を受け止めながら、どうすれば国内をまとめることができ、黒船に代表される海外諸国に対抗できるのかを考えた末の決断だったと思います。私は、その決断をする転機となったのが、咸臨丸でのサンフランシスコへの渡航だったのではないかと思います。太平洋を渡り、アメリカに上陸してみて、欧米の技術力などを目の当たりにしたことは、鎖国を続け、唯一の情報源がオランダ一国だけだった日本にとって、衝撃的な事だったと思います。
リーダーの決断が問われた幕末の世の中で必要とされた人物だったのでしょうね。

 

今月読んだ本で面白かったのが、右記にあります「週刊文集編集長の仕事術」。これは知人に勧められなければ決して買わなかったと思いますが…(笑)
サブタイトルの 「すごい結果を出す門外不出85の奥義」 にも、実は特にそそられませんでした…。が、勧められた以上読むのが私のモットーですので、ページを開いたところ、著者である新谷氏の軽快な語り口に載せられ(多分インタビュー本だと思います)気付くと一気呵成に読んでしまいました。

内容をざっくりご紹介すると、『仕事に対してまじめに、情熱を持って取り組め、そこで信頼を得ると、大きな仕事や達成感が得られる』 という自身の経験と、現在の「週刊文春」の働き方を取り上げています。新谷氏はこの取り組み方を「フルスイングをする」と表現しています。
これは2月号で取り上げたジャパネットたかたの高田社長も言っていましたが、事業で成功するどうかは、全力で取り組んだかどうかで、失敗と思っているのは「一生懸命にやらなかった」だけだと。

政治の表裏から、スポーツ、芸術そして芸能界まで、分野は違えども、そこには血の通った人間がいるという、当たり前のことが根底にありお勧めです

政治の表裏から、スポーツ、芸術そして芸能界まで、分野は違えども、そこには血の通った人間がいるという、当たり前のことが根底にありお勧めです

全くその通りだと思います。仕事を自分のものとして、自ら主体的に取り組む「自己発動」が有ってこそ、プロとしての仕事が成立し、それによって成果が出て、達成感を感じることが出来る。ということですね。

 やる気のある中小企業経営者の皆様、改革への第一歩を踏み出してみませんか!
 <トライプランニングのスモール経営レビュー>

昨今「働きかかた改革」で労働時間を減らせだの、休みを取らせろだの、本来と違った方向に世の中が動いていますが、本質は仕事の楽しみややりがいを教えて行く方向にならねばいけないと思います。
 それをしないと、仕事を楽しむほどのスキルもなく、面白さを実感する成功体験もないまま、質も量も中途半端な若者が増え、自己成長の機会を失うのではないかと危惧します。こちらの書籍は、皆様のの若い社員さんにお勧めの一冊です。

・・・でも社長にそんなことを言われると「うちもブラックだな」って言われるかも・・・

 最後に、新谷氏が 雑誌離れが続く現状、「売れない時代のマーケティング」にも言及しています。雑誌の内容を良くするのは当たり前ですが、どんな戦略を立てて行くのか。
それは、会社が利益を生み出す幹はどこか(週刊誌で言えばコンテンツ)にフォーカスして、どこに経営資源を投資するのか決断する。そこにはリーダーとしての決断における「正当性」と「合理性」が必要だと。ちなみにこれはJR東海の利益体質を変えた葛西名誉会長から教わったことだということです。この考え方は、どんな業界も同じではないでしょうか、我々経営者の決断が問われますね。

 今回取り上げた 「事を遂げる者は、愚直でなければならぬ。才走ってはいかぬ」 、仕事の本質を忘れず、誠心誠意、取り組み、そして戦略もたてながら、会社経営を進めて参りましょう。必ず成長が待っていると思います。

 

 (弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.70  2017年4月号より抜粋)