継往開来(けいおうかいらい)」 先人の事業を受け継ぎ、未来を切り開く。
過去のものを継続し、それを発展させながら将来を開拓していくこと。
「継往」は先人の事業を受け継ぐこと。「開来」は、発展させながら未来を切り開くことです。

 

 さて「継往開来」。日本国内で創業100年を超える企業の数は約27,000社(帝国データ調べ)もちろんこれは世界一位の数字です。明治・大正・昭和と世の中が目まぐるしく変化する中で、そして先の大戦が有った中で、会社を継続されたことは本当に素晴らしいと思います。創業から何代も経ながら脈々とビジネスを続けられたのは、提供する商品やサービスもさることながら、きちんと後継者を育て継続するという人材育成の面でもしっかりとした伝承があった訳でしょう。翻って見ると、今弊社でお付き合いをさせて頂いているお客様で、創業社長様は片手に満たず、殆どの会社様が、2代目以降の社長様です。そして現社長の経営規模は全て創業時より成長されています。
つまり、「継往開来」がきちんとできており、企業規模が拡大てきている、ということになるわけです。
 もちろん、それは単純な社長の比較をしているのではなく、創業者が何もない所から、苦難の末会社を立ち上げ、事業を軌道に乗せてきたということが大前提にあり、その想いがきちんと次の世代に引き継がれていった結果です。
そう考えると、いつもお伝えしていることですが「ビジョン」をきちんと持ち、「想い」を社員さんに伝えて行っている会社様が、結果として世の中に必要とされ、継続しているのだと思います。

 私の方ですが、オフィス移転に伴う様々な準備と作業も重なり、なかなか落ち着いた時間が取れませんでしたが、ようやく情報を取り、考える時間を作るようにしました。そして書店に寄ってみると、ユニークな装丁の本に出会いました。それが、FRの柳井さんの本「経営者になるためのノート」です。

 

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↑ユニークなスタイルの著書

 

既に大経営者である、柳井さんの本のタイトルが「経営者になるためのノート」ってなんだろうと思いますよね。ページを捲ってみると、柳井さんが自社の管理職教育に使っているノートの書籍化だとあり、同社のビジョンを追求していくためには、沢山の経営マインドを持った人が必要でそれも短期間で育ち、世界各地に広がって欲しい、その想いを追求していくと、自社だけでなく、他の経営者や意欲のある若者にも、少しでも参考にしてもらって、日本の会社が、日本人が元気になって欲しいという意図がある事が分かりました。 読んでみると、同社の成功ノウハウが書かれているわけではないですが、経営者としてそしてリーダーとして、どうあるべきか、どう経営を捉えるべきか、核心をついた指摘が並んでいます。経営者の皆様はもちろんですが、管理職やリーダーの方にも、お勧めです。ぜひ読んでみてください。一読後の感想は、「常にお客様のことを考える」「言ったこと、決めたことは必ずやる」という当たりのことが、沢山の事例や現象からこれでもかというくらい書かれているシンプルだけど、心響く本でした。おっしゃる通りで言い訳無用の本です。

 

今回は、「継往開来」から、会社経営の「想い」と「ビジョンの大切さ」そして柳井さんの本から「お客様の事を考える」ことと「実行力」の話を書かせてもらいました。
 柳井さんは、以前書いたように直接話す機会がありましたが、考えてみれば彼も二代目社名は変わり、業態も進化していますが、きっと先代の社長の想いを理解して、彼なりに昇華させながら、現在の成長軌道へと突き進んだのだと思います。
この本の中で、柳井さんの定義する経営者とは「成果をあげる人」です。
そのために必要なことは下記の4つの力を付ける事だと言っています。
  「変革する力」「儲ける力」「チームを作る力」「理想を追求する力」  この4つを常に磨いていきながら、お客様のことを考え、お客様に選ばれる会社にして いくことを追求し続けることで、社会に存在を許される会社になるようにするのが経営者だと。

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 これを書いているうちに、やるべきことが沢山浮かんできました。ぜひ皆様も4つの力を磨いていきながらまじめに、スピーディにそして社員さんを巻き込んで、会社を成長させていきましょう!

 

(弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.55  2015年10月号より抜粋)