水到渠成(すいとうきょせい) Voice Vol.59

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「水到渠成(すいとうきょせい)」 水が流れると、土が削られて自然に溝ができるように、
学問を身につければ、それに伴って道徳も自然に身に備わるということ。
また、物事は条件が整えば自然に成就するということ。出典は「蘇軾(そしょく)」です。

 

 さて「水到渠成」。今年のテーマは人材育成。先月号でも書かせていただきましたが、ここ数年ご依頼の多い事柄は人材採用から始まり、人材育成までのいわゆるキャリアプラン構築の案件です。そもそも企業が存続するには、営業の仕組みを作りお客様を増やしていく事と、人を採用し育てていく事。この二つが上手く回る事で、会社は成長・発展していくわけです。当社が営業のコンサルティングからスタートし、今は人材育成の分野もお手伝いさせていただいている事は、企業コンサルティングとしては不可欠な流れだと確信しています。そんな中で、「水到渠成」。 物事は条件が整えば自然に成就するということですから、人材育成の面で言うと、「会社としてどんな人を採用しどう育てていくか」を明確に決めれば、良い人が育ち、良い組織が出来上がるのではないでしょうか!

 

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↑インターネット企業世界一のグーグルの採用から教育まで参考になる事多大です。

 

 

 

さて、人材育成で参考となる会社は、と考えると、このVoiceでも取り上げた多くの会社さん(最近では富士メガネさんや樹研工業さん)であり、これらの会社さんは、「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズに掲載されています。
これら企業に共通しているのが、明確なトップの方針と、それを徹底して実施すること。これがお客様にも、社員さんにも選ばれる所以だと思います。
 一方、世界規模でみると、今回ご紹介する「WORK RULES!」 ご存知、ネット社会で世界№1企業となったGoogleの人事担当役員ラズロ・ボック氏著作の本です。「最高の職場を創る」という理念のもとに、自身が2006年、社員6000人の時に入社してから60,000人に増えていく過程で、採用から育成までの成功と失敗の事例を余すことなく書いています。550ページもあるので、読むのも大変ですが時間を見つけて目を通してみることをお勧めします。なぜなら、企業規模には関係なく、採用と育成は全ての企業の悩みですし、そして読むほどに納得!の内容なのです。以下、簡単にご紹介します。

 著者は、アメリカ企業ではポピュラーなキャリアアップではなく、働き甲斐を求めてGEから転職してきます。
2006年当時34歳、それからの数年間「世界最高の職場を創る」という目標に向かい、試行錯誤を続けるのですが 最初本を手にした私のイメージは、それはGoogleだから出来るんじゃないの…ということ。しかし、読み進めていくと、良い意味で裏切られました。それはそうだ、へー、そんなこともあるんだな~!という共感とともに、ぜひ取り入れてみよう、お客様にお伝えしようという箇所が満載です。取組みも面白く、例えば、採用面接時間の削減と、プログラミングスキルを評価するための方法として「数式を採用広告に入れ、解けた人に次のステップに進ませる」、教育コストを削減するために「学歴を重要視する」、採用コストを削減し、社員にインセンティブを与えるために「友人家族紹介制度を取り入れる」。その他「人事部に面接のプロをつくる」「資質について妥協しない」「面接での質問を統一する」「本音を聞き出す質問をする」などなど、思いつく限りの手法を実施します。上手く行く事もありますが、たいていは失敗です。

なぜか。実はここに本質があるのですが、選ぶということに焦点を置きすぎると、実は対立関係が起こるのです。

また、所謂優秀な人材というのは、往々にして自己主張が強く、コミュニケーション能力は低く、組織やチームの和を乱すということが起きてきてしまいます。難しいですよね。そこで至った答えが採用側と求職側で、相互に一緒に働きたい会社か、一緒に働きたい人かという面接にしていくのです。また当たり前の事ですが、どこを目指していく会社かというビジョンも明確にしていきます。商品やサービスと同様、採用もライバル企業があります。ライバル企業に転職されるのではなく、ライバル企業から魅力的な企業として、転職して来てもらうにはどうあればよいか、ということを追求していくのです。

読んでみて思うことは、アメリカのITトップ企業だから特別なのではなく、前述したように、日本で選ばれる会社も全く同じ考えで、経営をしているということですね。 

以上、今回の「WORK RULES!」 「水到渠成」 と通じることが多いと思います。

 

(弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.59  2016年3月号より抜粋)