明目張胆(めいもくちょうたん) Voice Vol.65

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「明目張胆(めいもくちょうたん)」 恐れることなく、思い切って事にあたること。 「明目」は目を見張って、よく物を見ること。「張胆」は肝きもを張り事にあたる意味。 出典は中国の古典『晋書』の中にある「王敦伝」です。

 

さて「明目張胆」。経営者の仕事は、様々な決断をすることです。決めなければいけないことは、日々沢山ありますが、その中でも一番大切なのは、自社の商品(サービス)を磨いていく事、そして時代に応じて進化させたり、新しいものを取り入れて行く事ではないでしょうか。もちろん新しい事業部門を立ち上げたり、業態を変えることも必要だと思います。
いずれにせよ、お客様のニーズ、時代のニーズ、そして世の中の変化に対応することが大切です。会社の成長と社員さんの安定雇用を目指していくために、経営者は常にアンテナを立てて行きましょう。
そして、決断をしたら「明目張胆」恐れることなく、思い切って進めましょう。

 

↑社員さんを大切にし、結果お客様を大切にしている会社さんがたくさん掲載されています。

明目張胆」今回は今年5月29日放送の「がっちりマンデー」で取り上げられた、杉山フルーツさんの事例から、経営者としての決断と実践をご紹介したいと思います。

そもそも、杉山フルーツさんは私がこのニュースレターで何度もご紹介している本「日本で一番大切にしたい会社」の第一巻目に登場している会社さんでしたので、そのユニークな取り組みに興味を持っていました。詳しくは本をご覧いただくとして、簡単に同社のプロフィールをご紹介します。

日本に果物屋さんが何軒あるのか正確には統計がありませんが、(野菜・果物店でみると)、20年前は4.7万軒、10年前は2.7万軒そして現在は1.8万軒です。家業が本当に厳しくなっているのが分かります。杉山フルーツさんも他と同様、地域の商店街に家業でスタートしました。場所は静岡県富士市の吉原商店街です。ご多分に漏れず、近隣はシャッターが下りた小さな商店街です。そんな中で、どうしてマスコミに取り上げられるような会社になったかというと、婿養子に入った2代目の社長である杉山清氏の「明目張胆」な行動です。と、言ってもいきなり改革をしたのではなく、最初はお店の主人になったことで満足していて、近隣のお店と同様、来てくれるお客様に普通に販売していただけでした。しかし商店街という機能が変わり、いつの間にか赤字に陥ってしまいました。「このままでは潰れてしまう。」 初めて危機感を募らせたのです。

 

では何をやったのか。まず取り組んだのは、贈答用商品(フルーツの詰め合わせ)に絞るということでした。味はもちろん、盛り合わせ方、ラッピングメッセージの書き方もお手伝いし、送る方送られる双方が、どれだけ喜んでいただけるかを真剣に考えていきました。そしてPRのため地元で数々のイベントを開催しました。
そうしたことを続ける中で、贈答品と言えば「杉山フルーツ」と選ばれるようになりましたが、誰にでも真似される商売では先が不安です。次に打った手が、メーカーになる事でした。具体的には「生フルーツゼリー」の生産です。フルーツを研究し試行錯誤の末、商品化し販売すると、その美味しさに一気にブレイクしました。賞味期限は3日間。作り置きせず毎日手作りなので1日800個も出来ませんが、毎日完売だそうです。
そうなると、大手デパート、スーパー等から沢山引き合いが来ます。事業拡大するにはそれが良いのでしょうが、杉山社長は手作りと品質にこだわるため取引を断っています。そしてもう一つの理由は、大量流通は終焉も早いからだと。
同じようなコンセプトで、生キャラメルがありました。空港でデパートでたくさん売れました。しかしそのために設備投資をし、人を雇用しましたが、ブームが去り、厳しい結果となっています。

↑「生フルーツゼリー」、ここでしか買えないのがよいですね。

 

杉山清氏の「明目張胆」行動は大胆に、そして戦略は明確にですね。具体的には、「特化する」「オリジナルを作る」そして、「立地や規模の不利は関係ない」。我々のビジネスでも応用できることが多いのではないでしょうか。

中小企業の経営者の皆様の”決断”を後押しします!
 <トライプランニングの「経営力強化」>

(弊社発行 月刊まるやまVoice Vol.65  2016年10月号より抜粋)